今後の自分のあり方について、少し静かに考えてみた。
今の私は今の生活に対して実際のところさほど不満らしいものはない。ネットではみんなで楽しく会話は出来るし、やりたいゲームも出来る。職場でも今のところ作業、人間関係ともに順調である。
しかし、この1年の私自身を振り返り、また今後のことを考えると不満、不安が少なからず湧き上がる。
- この1年間の自分自身のスキルアップ度
- この1年の自由時間の使い方
- それらの満足度
これらの観点から自分を見直したとき、この1年は散々たるものだったと言わざるを得ない。
今年の私はあるゲームに熱中したり、またネットでの気の合う人々と何度も会合したりした。それ自身は楽しかったし、それらに対する不満など有るはずもない。満足である。が、いずれそれらの人々が結婚し、家庭を築いたとき同じことが果たして出来るだろうか?私は家庭という守るべき対象を持ったとき「あゆ萌え〜」だとか言い続けるのだろうか?そんなはずはないし、それではいけないと思う(あくまでも私自身の価値観なので他人に強要する気はないが)。勿論、これからも私は音楽は今同様聴き続けるのだろうし、ネットで人々と連絡し合うことも有ろう。しかし、守るべき「家庭」が出来たとき、それだけに傾倒する訳にはいかない。家庭を守らんとするとき私がすべきことはまず「仕事」であり「金」を稼ぐことだ。今でこそ守るべきものは何もないので仕事に対する考えは楽観的だが、いずれはこいつに縛られる。…そう、いずれ私は「仕事」に対して最大の情熱を注がねばならない。
以前、「仕事に縛られる生活はイヤだ。私は仕事だけのために生まれてきた訳じゃない」と、半ば逃げ出す形で前職を去った私だったが、しかしどうあっても「仕事」から逃れることは出来ないし、私が社会にて生き残る為には「仕事」に重きを置かねばならないのだ。一時の楽園を求めて現職に就いたが、それは私が「子供のわがまま」をそのまま行動で示したに過ぎない。
先日、TACH氏と電話で話をする中で、やはり仕事の話が出た。彼はかつての私同様に交換機ソフトウエア開発の仕事をしているわけだが、自分自身が驚くほど当時覚えた知識を今の私は失っていないのだった。「正常系信号シーケンス」「CPG(inband有)」「BHCA」などと言った知識や言葉が、この1年全く使っていなかったものにもかかわらず私の中から飛び出すのだ。交換機の仕事があれほど「イヤだ」と騒いでいた割には、当時覚えたことは思ったほど忘れていない。そして「今からその業界(交換機関連)に返り咲く、ってのも悪くないな。都内やその近辺に帰れるし。」と思わず口にしている自分に気づくのである。更に今日、友人と食事をしていたところ携帯が鳴った。私はその発信者名を見て驚愕した。「N野GH…!」そう、それは前いた職場のグループ長だった。前職を去って約1年が過ぎ、「もう、みんな私のことなど忘れてしまっただろうな」と思っていただけに意外だった。…内容はネットワークに関する質問であったのだが、懐かしい友人の名前を聴いたり、相変わらず慌ただしい雰囲気を漂わせるその電話の中で、私は「そこに戻りたいですね。今の職は退屈で。」と思わず漏らしてしまった。
1年経って辛かったことを忘れてしまった部分はあるかと思う。あの時、実家に戻る夢を全て捨て、今の宇都宮に住まってでも逃げ出したいと思った気持ちは嘘じゃなかった。しかし…「私はあの場所を捨てたんじゃない、逃げたんだ」という後ろ髪を引かれる気持ちはいつもどこかに残っていた。本当はもう少しがんばれたかも知れない、もっとプラスの思考で仕事に熱中できたらどうだったのだろうか?と思うときも多々。「あの場所での敗者」と思うと悔しかった。
今思えば、前職場に配属直後「私のやりたいことはこんなことじゃない!」と決めつけ、「仕事なんぞ人並みについていけばいい、自分から頑張る必要はない」と完全なマイナス思考だった。しかし転職後、自分のスキルの低さに呆然とする。「どうしたい」は分かってても「どうすればいい」が分からないのだ。勿論、勉強は最低限必要であるが、その高みすら見えないままでは迷走するばかり。要は何も知らないずぶの素人と変わらないのである。私が知っているのはUNIXサーバ管理の初歩とTCP/IPの初歩の初歩、交換機ソフトウエア呼処理機能の至極一部分、そしてUNIX-Cと各種スクリプトの初歩だけだったのである。そしてせっかく築き上げたこれらを今、私は全てフイにしようとしている。自分の目指す道も分からないままに、だ。
実は戻ることはそんなに難しくない。そもそも交換機ソフトは人手・経験者ともに不足な上、人気がない。一応、と言うレベルではあるにせよ経験者である私がその場に身を置くことを望めば、さして不可能な話ではあるまい。しかし、今の場所…現在の職を去ることは非常に難しい。今の職場で私が行った作業の1割すら、理解している人は居ないからだ。
TACH氏と懐かしい仕事の話をしたり、いきなり前職のグループ長から電話を貰ったりと、少し冷静さを失ってしまった今日の私だが、とにかく、これからどうするか…という答えは最長で1年、最短でも1年掛けて見つけようと思う。今の路線をキープしつつ安定路線を貫くか、それとも自らの身を賭けてステップアップを目指すか。今後、自分の一生を考えるにあたりどちらか満足度合いが高いか、それを両天秤にかけてみようと思う。