祖母他界
去る1月5日、祖母が亡くなった。享年97歳。通夜は9日、告別式は翌10日に行われたが、私は故人を偲ぶとともに最後のご奉仕との思いで通夜前日に日光へ行き、親戚とともに色々な準備等を手伝った。祖父が他界してからおよそ11年、よく頑張ったなあ、と思う一方で、ついに世代が移り変わったんだなあ、ということを改めて感じさせられた。
まだ常磐線の普通電車が一時間に一本しか走っていなかった頃、夏になると母は幼い私と妹を連れて日光に帰省をした。半日ほどバスと電車に揺られ、終着駅で濃いベージュとえんじ色のツートンカラーの快速電車を降りると心が躍った。ここは自分にとって非日常の数々が経験出来るとても新鮮な場所だった。長い日が紅に染まる頃に母の実家に着くと祖父が洋菓子屋でプリンアラモードを買ってきてくれ、祖母は手作りの料理で私たちをもてなしてくれた。ここで初めて知った味も少なくない。そしてそこで過ごした日々はいつも大切な思い出となった。…
もう30年近く前に失われてしまった昔日の光景だが、その全てが終わってしまったということを突きつけられた今日に至っては、昨日の出来事のように思い出させられる。心より冥福を祈るばかり。合掌。