ヘッドフォン比較視聴記

これまで、わしは通勤時にウオークマンNW-F887を付属のノイズキャンセリングヘッドフォンで聴いていたのですが、どうもなんだか楽しくありませんでした。楽曲自体を聴くのにはなんの支障もなく、ノイズキャンセリングのおかげで音自体は割と鮮明に聞こえるわけですが、メインの音響機器で音楽を聴いているときと異なり「何となく鳴っているものをただ耳元に流しているだけ」感が否めないのでした。ゆえに、それほど積極的に聴きたいと思わず、疲れているときなどは使わないことも少なからずありました。
しかし、先日試しにヘッドフォンを手持ちのATH-ES10に差し替えて通勤時に聴いてみたところ、これが大変楽しく、いかにも音楽を聴いているという感じで、積極的に聴きたいと感じるようになりました。
このような経緯もあって、これまで前回のエントリーにあるような「リファレンス機器として」以上の興味がなかったヘッドフォンについても、もう少し積極的に試してみたいと思いました。が、残念ながら元手がありませんので、とりあえず自宅にある3つのヘッドフォンの比較視聴をし、その感想を書いてみることにしました。なお、駆動環境はわしのメインの音響機器であるNP-S2000→DP-67(DACとして)→C-2410です。

  • SONY MDR-Z1000
    本来はモニターヘッドフォン。帯域が広くナチュラルトーン。細かい音をよく拾い反応が早い。残響がきれいに減衰し音場感も広め。アタック音が鋭く楽器の材質すら描写し、弦楽器はその爪弾くさまが見えるくらい鮮明。モニタリングのみならず、これで音作りもできそう。ただ、長時間のリスニングは退屈になるかも。
  • SONY MDR-Z900
    こちらも本来はモニターヘッドフォン。実際に発売当時、これを使用しているマスコミ関係者を少なからず目にした。帯域は狭くはないが、高域と低域に明らかな強調感がある。そのせいもあって、特定音域の細かい音は拾っているように感じるが、残響が早めに減衰するところをみるとそれほどでもないのかも。反応の速さにはさすがに年季を感じる。いわゆるノイズとなりやすい音域に強調感があるので、モニタリングとしては今でも使えると思うが、音作りはこれでしないほうがよさげ。リスニングにも退屈なので、録音時くらいにしか使えないかな…。
  • Audio-Technica ATH-ES10
    アウトドアリスニング用途を意識したヘッドフォン。帯域は広いはずだが、それを感じさせないほど巧みな音づくりをされており、楽曲そのものの解釈が変わってしまいかねないほど。また、このヘッドフォン独自の響きが音に乗ってくることもあって、細かい音は拾えど減衰のさまが前述2機種とは大きく異なる。反応は早くも遅くもないが、先述の響きの影響でなんとなく音像がぼやける。音場の広さは普通。長時間聴いていても嫌な音はしないのでリスニングには向いていると思うが、密閉型ではないこともあり、モニタリング、音作りには前述2機種と比較すると向いていない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.