このブログのエントリーは春先から小中学生時代に関連する話ばかりで、今読み返すと「色々病んでいたのかも…」と思わざるを得ない状態だったりしたわけですが、実はその後色んな気づきがあって、最近はその件は割とどうでも良くなり、またオーディオ方面へ気持ちが向いてきました。
そのような中で改めて課題として挙がったのは「今後、良質な音源として何に軸を置くか」と言うことでした。これまでのメイン音源であるCD(と、そこから取り出した音源ファイル)については大きな不満はないにしても、なんとなくそれ以上の期待もあまり出来ない気がしてきたので、新たな方向性を得たいと感じ始めていたのでした。具体的には「アナログ盤」か「SACD」か、と言うことになります。
昨今、ピュアオーディオ界隈に於いては、アナログ盤がブームなこともあってか音源として選択されている例が少なくなくそちらに進むのも有りと思う反面、元々父がアナログ盤のコレクターなので、個人的にはなんとなく今更感があり、一方でSACDは14年前にDP-67を購入した際「これからはファイルオーディオ(ネットワークオーディオ)が主流になる」と敢えて切り捨てた部分もあったこともあり、それはそれで時計の針を戻すような気持ちもあってなかなか選択し切れない状態でズルズルと…と言う状況でした。
そんな中で、某中古店でAccuphase DP-900単体がなんとか手に届く価格で販売されていることを知り、勢い余って調達することに。当初は「将来いずれ同社DP-750新品を」、と思っていたものの、手元にDC-37があることを考えると「またこれだけの額をSACDのためだけに支払うのには抵抗がある」と気持ちも少なからずあって、程度の良いDP-900中古も選択肢としてはなくもないな、と思ったが故の行動でした。見た目に限っていうなら良くも悪くもAccuphaseデザインで、DP-67から変更しても殆ど違和感がなく、まるで以前からそこにあったかのような佇まいです。
事前の想像より代わり映えがしない…。 pic.twitter.com/7mUhDXGVMy
— まさひろ (@masahiro298) October 19, 2018
さて、到着後に色々試聴してみて、SACDについては当然CDより音が良く、十分期待していた効果が得られたのですが、想像外だったのはCDの音が激変と言って差し支えのないほどに向上したことでした。
そもそも出音が全然違っていて、高域は極めて繊細な描写をするようになったり、低域も十分な押し出し感とさらに低い音域が高い解像度を伴って表現できるようになるなど、明らかなグレードアップを感じたわけですが、それ以上に驚いたのは「静寂」が表現できるようになったことでした。ここでいう「静寂」とは無音を意味するわけではなく、楽曲中のちょっとした間であったり、演奏開始直前のわずかな(電気的ではなく、収録現場で生じた)ノイズを指すわけですが、こういった極めて微々たる音でも拾い上げ、表現できるようになったのでした。それによってリアリティが格段に向上したことに気づき、思わず唸ってしまいました。
今回買い換えたのはあくまでもSACD/CDトランスポートであって、扱っている信号は全てディジタル領域のものだから、これまでのDP-67とNP-S2000をトランスポートとして使用した時の音質差と同様に多少は変わることは想定できるものの、その変化量は微々たるもので、ブラインドであれば識別することは困難なレベルに留まるのでは…?と高をくくっていたのですが、それが完全に誤りであること今回気づかされました。
いやー、これは本当に参った。ディジタル領域のそれは投資を掛けても変化量は少なく、費用対効果は良くないと思っていたが故、敢えてそこにはあまり手を入れないで来たのですが、今回の件をきっかけに考え方を改める必要がありそうです。