まず仕事について。一言で言えば、私にとっては僅かながらも変化の兆しが見えた年なのかな、と思っています。今の会社に転職して4年余りになりますが、昨年までは「楽をしていた」が故に特にこれといった実績を残せた実感がなく、正直言うと物足りなさと今後に対する不安が渦巻いていたのですが、今年は「あ、やっぱりこういう仕事が好きなんだろうな」と思えるものができたような気がします。また、これまでの組織内の情報システムの仕事とは少し離れた分野にも僅かながらも関わることができ、今後の活動範囲が広げられそうな可能性が出てきました。来年はそれをより具体的な活動につなげられたらいいな、と考えています。
五月にあった高校時代の部活動のOB会は、人によっては実に数十年ぶりの再会になるなど大変充実したものになりました。後日、当時の写真のネガを拾い集めてスキャンしてみたところ変色が著しく、年月の経過を改めて思い知ることになりましたが、それ以上に衝撃だったのは「もうその写真に写っていた出来事の大半を忘れていたこと」かも知れません。当時の出来事は一日単位で文として残し、それ故大半のことを鮮明に覚えているつもりでしたが、それらの写真はそれが認識の誤りであったことを今の私に知らしめました。昨日のように覚えていたつもりの出来事が、既に思い出という遠く、情景すら思い起こすことすら叶わなくなった「過去」になっていたのでした。それは、私に大変寂しいことでした。
前述の件のみならず思い出が「記憶からの欠落が多い」が故に現実以上に美化されていて、それが今日にあまり好ましくない影響を及ぼしているな、と考えさせられたのは、サンスイのプリメインアンプの音を改めて聴く機会を得られたことによります。サンスイのAU-α607DRを手に入れて、最初は「さすがサンスイトーンだ」と思っていたのですが、改めてR-K1に戻して比較してみたら、どう聞いても後者の方が音の立ち上がりが早く、解像感、レンジともに優れていることに気付いてしまったのでした。いくら往年のベストセラー機であっても、地道に進化を重ねた機器には叶わないのだなあ、と思い知らされたと同時に、昨今、中古オーディオへの評価が実情より高いことに更なる危機感を覚えました。
秋は災害だらけでしたね。台風15号や19号、そしてその後の集中豪雨など「果たしてどうなるのか」と不安な日々が多かったように思います。幸い、自宅付近は特に被害らしいものはなかったのですが、来年以降においても同様であるとすれば、到底安心できるものではありません。
なんとなく後半に行くに従って暗い内容になってしまいましたが、来年こそは良い年になるように祈念して、今年の総括にしたいと思います。それでは皆様、良いお年を。