昔書いた駄文を見つけました。
浪人当初の私の精神状態をあたかも現実のように書いたものだったのですが、今読むとちょっと拙い感じ。なので、少し手を入れてみました。
昼過ぎごろ、突然本降りの雨が街の景色を派手に滲ませた
《April 22,1992(Wed) at JR Kashiwa station.》
轟音とともに地面を叩き付けるその雨は全く止む気配を見せず、傘を持たない私を悉く濡らし、その様はまるでボロ雑巾のようだった。この春から身分不定で生き続ける意味すら見失っていた私には、それはまるで天からの叱責のようにすら感じられた。
「ーーーッ!…」
自らの惨めさと淋しさのあまりその場にいない誰かの名を、私はあてもなく叫んでいた。
かつて、その単語は自らの安らぎの相手に掛けるための大切なコトバであったが、もうそれを直接伝えることはできない。
そしてその声は、街に響き渡る前に烈しい雨音に紛れて消えた。
次の瞬間、ふっと街の灯が非線形的な筋を描いて、視界から消えた。
「…、大丈夫ですか?」
街行く誰かに声を掛けられて我に帰った時、私は無数の水溜りが落ちている舗道に突っ伏してしまっていることに気づいた。
よろよろと起き上がり、「大丈夫です。」私はようやくそう応えて、様々な複雑な感情に苛まれながら、その場を足早にあとにするのだった。
私の顔がびしょ濡れなのはこの雨のせいだ、と、心の中で言い訳をしながら。
雨は降りしきっていた。
私の、孤独の涙を洗い流すのかのごとく…。
うーん、ちょっといまいちかなあ。そもそも元の文が厨二病全開っぽい感じでもあるので…。なお、このシーンのBGMは次の曲をイメージしていました。
実際には代ゼミ柏校から帰ろうとした時、にわか雨が降ってきて傘を持たない私を濡らしたものの、流石に誰かの名前は叫んでないし、舗道に突っ伏してもいません。ただ、気持ち的にはヨレヨレだったので、あたかもそういうことをしたかのごとくの文を書いた、というだけの話でした。
もう、その代ゼミすらありません。今となっては当時の街の景色は、もうセピア色の向こう側のものになってしまったようです。