先月の頭(8日)のことですが、私の不適切な言動をきっかけとして、これまで信頼を置いていた委託業者の若手担当者との契約が今月末限りで終了という結果を招く、という失態を犯してしまいました。これだけなら単に仕事上のミスだよね、という話で終わりなのですが…、リアルではこの件について詳しく語ることもなかなかに難しいので、ここで吐露したいと思います。
その担当者は私の仕事を懸命に手伝ってくれていました。その点については何ら疑いの余地もないですし、恐らくは本人の持てる能力以上のものを発揮してくれていたものと思います。しかし、本来その担当者は業務委託業者の一人として私の所属する会社の業務の一部分を担わなけばならない立場。私にとってはありがたい存在であっても、私の仕事だけを手伝うだけではなく、技術を身につけて自発的に動いてもらえるようにならなければ…などといったふうに幾らかの物足りなさもまた感じていました。
そして、ある出来事をきっかけとして、もしかして実は(やっぱり)本気で技術者になりたいとは思っていないのでは…という疑念を抱き、このままではいけない、と強く認識させられたのが昨年末のことで、それゆえ年始には「しっかり前を向いて」とまで目標を立てたものの、結局自分の弱さから私を支えてくれていることによる心地よさに甘えてしまい、本来はすべきではなかった選択を私はしてしまうこととなります。それは、本来それを名乗らせるべきではない「技術者」としての役割をその担当者に与えてしまったこと。その結果、ますますあるべき役割と、実際の作業内容にさらなるギャップを生むことになりました。「これは会社にとって、或いは私のチームに対して本当に良いことなのだろうか…?」という戸惑いと迷いがずっと頭をもたげることになります。
しかし、前述の通りその心地よさに溺れた私は、時を経るごとにその環境に甘んじることに抵抗感がなくなりつつありました。ある日、担当者に「Marc’nさんについていきたいです!」と言われ、この状況がずっと続けばいいな、とぼんやりと思うようにすらなっていました。
そのような甘い考えが覆ったのは、担当者とほぼ同世代の、とある人物の登場によります。その人物はまごうことなき「技術者」であり、しかも私のような長年この業界に身を置くものから見ても明らかに優秀でした。その人物が私のチームの一員として加わることで、私は先述の担当者を相対的に評価する(これ自体が良くないことも判っていたにも拘らず)ようになり、その担当者に「技術者」として今後も活躍してもらうためにどうしたらいいのか、ということを改めて考えさせられ、しかし、その手段が見つけられないまま、焦燥感から情緒の安定を急速に欠いていくことになります。「技術者」としての自覚を持ってほしい、という思いはあったにせよ、気づけば些細なミスであっても担当者を怒鳴ったり、物に当たる姿を見せつけたり…という行為を繰り返すようになっていました。また、「キミは、本当は何をしたい人で、何をするのが一番良いのだろうかねえ。」などという上から目線の言葉も何度か吐いてしまったりしました。
それが次第にエスカレートし、気づけば言うべきではないタイミングで言ってはいけない−−−それはおそらく人としても許されない−−−ことを担当者に浴びせかけてしまっていました。そこにはもう、本来あるべき他人に対するリスペクトの気持ちはどこにも残っていませんでした。確かにそのようなことに至った経緯や背景は幾つかあります。が、どのような状況であれそれは許されざることには違いはなく、結果、それは担当者自らからの「ここを引き揚げたい」との決意表明により幕を閉じることになりました。「以前、「ついていきたい」って言いましたよね。」、「ですけれど、今回の件は残念でした。」という言葉とともに…。
私は激しく落ち込みました。おそらくここ数年では久しぶりなくらいに。「致命的」をさらに飛び越え、「破滅的」ともいうべき近年稀に見る大失態。このことを頭から追い出すために、新型コロナウイルス感染拡大第七波の猛威の最中にも拘らず、居ても立っても居られない気持ちから家族の心配をよそに都内や地方に出向き、そのことを考えなくても良いように振る舞いました。もし万が一、これが原因で新型コロナウイルスに感染し、自分がどうにかなったとしても、もうそれはそれでもいいか、その時は「くだらない人生だったな」と自ら嘲笑うことにしよう、とかそんな気持ちにすらなっていました。…

心がくたびれるたびに、30年前のここで、かつて心を通わせた相手の面前にもかかわらず号泣した日のことを思い出す。
今回で何度目かな。
そして、あと何度繰り返してしまうのかな。アイツに後悔させてやる、ってそう誓ったのにさ。
2022/08/20 都内に赴くために立ち寄ったJR荒川沖駅東口にてtwitterに書き込んだ内容
またアイツに笑われる。
結局、この一年半もの間に私がしたことは、自らの承認欲求を満たすために、その担当者に本来させるべきではないキャリア上の遠回りを強いただけでなく、信頼すら裏切ってしまった、ということなのでしょうね。そう思うともうすぐ一月が経つ今日に至っても胸が強く締め付けられるし、全てを無くしてしまいたいくらいの自暴自棄な気持ちにすらなってしまっています。実際、つい今日もその担当者との引き継ぎの打ち合わせの際に、「新しい環境に移った後は、そこでの新しい関係ができるわけだし、その時はもうここのことは忘れた方がいい。」とつい口走ってしまった自分がいたりします。そう、もう私自身が何よりもそれを忘れたいと思っている…。自らの失敗だけでなく、私を信じてくれていた人を傷つけてしまったことが本当に心の奥底から悔しく、そして強い罪悪感に苛まれるが故の、精神的な逃避行動。それがますます傷口を広げてしまっているだけにも拘らず、です。
以上、ここのところ苦しんでいたことを赤裸々に綴らせていただきました。これが罪滅ぼしになるとは思ってはいませんが、自省と自戒の気持ちを込めてここに記録として刻むこととします。いつか、この出来事が誰にとっても「結果的に良い方向へと変わるきっかけとなった」と笑える日が来ることを願いつつ。