先のシルバーウイークは台風の影響であまり天気が良くない状況が続きましたが、この週末は好天に恵まれ、特に土曜日の夜は快晴との予報だったことや、たまたま風野さんがご実家のある栃木県に戻られているという話を聴き、「これはもしや、星空を撮るにはまたとない絶好のチャンスなのでは」と思い立ち、かなり無理を言ってしまった感がありますが、TwitterのDMで風野さんに「星を見に行きませんか」と声を掛け、急遽奥日光の戦場ヶ原に向かうことになりました。集合場所は風野さんのご実家最寄り駅とし、私は久々に鉄道で栃木方面へ。スペーシアに乗るのも本当に久しぶりで、ついテンションが上がり車中で滅多にしない自撮りなどをしたりしました(笑)。
それにしても、この一ヶ月で何度目の栃木方面遠征なのだろう…?なんとなくですが20年前の同じ季節の頃のことを思い出しました。(当時は宇都宮住みだったこともあって、ほぼ毎週末日光へ赴いていました)



風野さんと合流後、戦場ヶ原の三本松園地の駐車場に向かいながら、道中の車内でかつて一緒に仕事をさせていただいた頃の職場の話であったり、昨今の状況だったりの話をしましたが、かつての事柄については鮮明に覚えていることもあれば、そうでもないこともあり、なんだかんだ言っても歳月の経過がそれなりにあったことを感じたりしました。そりゃそうですよね、社会人二年目だった私が当時の職場で風野さんと初めてお会いした時から、もうすでに24年もの年月が過ぎてしまっているわけですから…。
三本松園地駐車場では、「ガチ」な天文ファンと思わしき方達の車がそれなりの台数で停まっており、こちらはそれらの方の邪魔にならないようそろりそろりと空いている場所に車を停め、ドアを開けて天を仰いだのですが、その瞬間「うわぁー、凄いっ!!」と、邪魔にならないように、などという気持ちは全く吹き飛んでしまうくらい驚愕し、つい大きな声を上げてしまいました。その仰いだ夜空に見えたものは、満天の星。それも、下界で見たものとは数も鮮明さも比較にならない程のもので、天の川ですら近視の私の裸眼であっても見えるほど。「これで良い写真が撮れないはずがない」と確信し、繰り返しシャッターを切って撮れたものは素人の私にはもうこれ以上綺麗なものを得ることはできないのでは、と思ってしまうくらいの天の川の写真でした。

今回は本当に思いつきで現地に向かったことから、撮影場所があまり良い場所ではなかったり、十分な防寒具がないだけでなく手元を照らす照明すらスマホ頼りという状況で、到底ベストなものが撮れる状況とは言い難かったことから、およそ一時間ほどで現地を後にしましたが、それでもここまで星の見え方が違うものとは、ということが分かっただけでも十分満足が行くものでした。次はしっかりと準備をして、冬の星座の撮影に改めて臨みたいと思いました。
そして、この星空を見たことで一つ新たな気付きがありました。幾つか前のエントリーの結びで、私は「その星空を裸眼で楽しむ能力は失われてしまった」、「自らではできなくとも代替の何かで新たな光は得られる」などと書いていましたが、それは実は勘違いであった、ということ。本当に変わったのは「自らの能力」ではなくて、「周囲の環境」と「自らの可能性への積極性の低下」だっただけなのに、加齢などにより「もうそれは仕方ない」と決めつけ諦めてしまっていた、ということに気付かされたのです。
私は可能性を人に託すのにはまだ時期尚早なのに、そうすべきと勝手に思い込んで行動してしまった結果、本来の姿から大きく逸脱したことで派手な失敗をしてしまったんだろう、とそう思うことにしました。
私はまだまだ行ける。そう信じて、明日からの新たな環境で頑張ります。
「私たちの中に眠る、可能性という名の神を信じて…」