現在乗っているクラウンのナビの更新のついでに、新型クラウンクロスオーバーに試乗させてもらいました。グレードは最上位の「RS Advanced」。価格はプライスボードによればオプション込みで700万円超とあり、簡単には手が届く額ではないな、と思いながらの試乗になりました。


ファーストインプレッションとしては「静か!」、「乗り心地良い!」でした。見た目から予想していたより遥かに高級車然としていて、意外でした。
以降、少し細かく感想を書いていきます。
見た目・パッケージングは?
好き嫌いが分かれそうな内外装は、個人的にはそこまで抵抗感はなかったものの、高級感という観点からすると「うーん…。」となったのも本音。特にインテリアについてはメルセデスやBMWなどと比べるとなんとなく大味というか、パースが大きめなのは少し気になりました。計器類がグラスコクピット(とは自動車の場合は言わないのかな?)になったのも、実際に目にしてみるとあまり印象は良くなく。どんなにかっこよくデザインしても、立体的な造形のあるアナログメーターに比べるとどうもチャチに見えてしまう。言うなれば、よくできたアナログウォッチとスマートウォッチのどっちが高級に見えるか?みたいな違いでしょうか。もっとも、私自身はApple Watchを愛用していたりするのですけどね(笑)。
あと、やはり車高は明らかに高いですね。乗り込む時や降りる時にはその高さに少し戸惑いました。セダンっぽい見た目なのに…、というのがそう感じた理由かも知れません。
なお、後席はニースペースが十分に広く、それは素直に「いいな」と思えました。
乗り心地・静粛性は?
乗り心地と静粛性は十分「クラウン」と名乗るに相応しいものでした。特に静粛性はうちの220クラウンよりずっと優秀で、乗り心地も普通に走る分にはタイヤホイールの大きさや車高を感じさせないほど、しっかり躾けられている印象で高級車だなあ、と感じました。ただ、路面から大きめな入力があると身体を揺さぶられる感覚が220クラウンより少し強く「ああ、この辺りはクロスオーバーなんだなあ」と感じさせられる一面も。
加減速は?
これはもう十分過ぎるほど。にも関わらず、ノーマルモードだと加速がスムーズ過ぎてその凄まじさを感じにくいかも、などと思いました。ターボラグなどいったものは全く感じられず、速度計を見るとあっという間に…という感じで、速度感覚は麻痺しやすいかも知れません。減速力も自然でした。
なお、最新のハイブリッド車ではありますが、電動感はあまりありませんでした。何も知らずに「これ、エンジン車なんだよ」と言われたら信じてしまいそうなくらい、エンジンが積極的に働いていました。
操舵感・取り回しは?
「本当にこれ、FFベース?」と思えるくらい、220クラウンから乗り換えても全く違和感がない操舵感でした。わざとオーバースピード気味でコーナーに入り、出口でアクセルを踏み増すなどということも試してみましたが、リアのトラクションがしっかり掛かって全く不安感を抱くことなく、あっけなくクリアすることができました。DRSとeAxleがよほど良くできているのでしょう。
また、わざと狭い路地にも入ってみましたが、ボディの四隅も掴みやすく、この辺は220クラウンと共にすごく良くできているなあ、と感じました。
あと、車庫入れはアドバンストパークの使い方が分からず(笑)、手動で試してみましたが、DRSのおかげで驚くほどスムーズに車庫入れができました。
で、欲しい?
試乗後に自分のクラウンに乗り換えて思ったことは「重い、遅い…」でしたが、それ以外はインフォテインメントの差以外、あまり大きく変わらないかも…と感じたのも事実。「もし、今乗っているクラウンが買い替え時期なら十分に検討の対象になり得るけれど、そうでないのなら、敢えて買い換えるほどでもないかなあ」、「全体的に上位互換というか220クラウンの延長線上にあるように感じで、これだったらもう一台、例えばGR86あたりを買い増した方が楽しいかも」と感じました。それくらい、220クラウンもいい車で気に入っている、ということかも知れません。
試乗には家内も同行していたのですが、家内にも感想を聴いたところ「いい車だとは思うけれど、どうせ同じ価格なら私はレクサスがいい」という意外な回答が(汗)。いつの間にか目が肥えて贅沢になっていたようです。
まあ、悩む時間はまだ幾らでもあるので、状況に応じて考えていけば良いと思いました。