二つ前のエントリーにて、TAD-E1TXについてこのような感想を書きました。
一方でもっと鮮烈な音になると予想していたものが、割とそうでもないな…というのが正直な印象。
ところが、そのエントリーを書いた直前あたりからどうも様子が違うな、と思い始めまして、その後様々な手持ちの音源を聴いた結果、どうやらこれまではエイジングが終わっていなかっただけであることが分かりました。そして、ここに来て凄まじい音を奏でるようになったのです。
具体的には、中高域がこれまで聴いたことがないような粒の細かいものになり、これまで団子のように固まっていた音が大変細かくほぐれ、そして、ダイナミックレンジそのものも広がったのか、まるでスピーカーが消えたかのような音場感を得られるようになりました。
「スピーカーが消えたかのような」という表現は、この手のレビューではよく使われる言葉の一つですが、私自身はこれまでそのような表現を使ったことがあまりありません。というのも、耳が良いからなのか、それとも悪いからなのかよく分からないのですが、音響機器でそう感じたことが私としてはあまり多くなく、どう聴いてもスピーカーから音が聞こえてくるようにしか感じられなかったからでした。それが、このスピーカーについてはきちんとリスニングポジションで聴くことで「フッ」と消えるように感じ、思わず鳥肌が立ちました。
それと、解像度が高い割には比較的聴きやすい音なのも有り難いですね。私自身は高域が刺激的な音があまり好きではないので、このくらいが丁度いいです。この辺りは駆動系にアキュフェーズのA級アンプを用いていることも良い影響を及ぼしているのでは、などと考えています。
それにしてもスピーカー買い替えから三ヶ月余り、ようやくそれに見合った満足感が得られた感があります。先述のエントリーにあるとおりまだやるべきことはいっぱいあるのですが、取り敢えずはこれで暫く聴いてみましょう。