昨日に引き続き、アナログ。と言っても、LPじゃなくて、コンパクトカセットですけど。以前、ロシアの方の依頼でTC-KA7ESのヘッド部分の写真を撮った際、あまりにもヘッドやキャプスタンが汚かったため、「相当前に購入したっぽいのに、一度も使用した形跡がない」ヘッドクリーニングキットを使って、きっちりお掃除。綿棒が見る見るうちに真っ茶色になっていき、「掃除をした」という充実感を得ることが出来ました(w。
さて、音。ソースは1990年にFM放送をKT-V880(Tuner/KENWOOD)→HV-F11(Hi-Fi VHS/MITSUBISHI)→XK-009(Cassette Deck/EXCELIA)と言う環境で録音・編集したもので、内容は1982〜1984年の流行歌。曲目の一部を挙げると「春なのに」「初恋」「思い出がいっぱい」「メリーアン」「雨音はショパンの調べ」など、わしと同年代の人間であれば、非常に懐かしい曲ばかり。テープはTDKのAD-X(90min)と、いわゆるNormal Positionですが、「げ、こんなに音良かったのか、このテープ」と言いたくなるくらいまともに聴ける。特にヘッドクリーニングの効果はてきめんで、高音域の特性が大幅に改善されました。SONY最後のフラッグシップデッキTC-KA7ESの実力を今更ながら思い知らされた次第。これが既に購入できない機器であると言うことが本当に残念。
…と言うか、録音時に使用したXK-009も凄かったんだなぁ、って改めて思いました。今でこそSONYの完全子会社となってしまったアイワですが、あのカセットデッキは外観、使用感、そして音質の全てが素晴らしく、とても「CDざんまい」や「某144モデム」を作っているメーカとは思えないほどでした(笑)。特に、テープを挿入すると「バンッ!」と大きな音がするテープスタビライザーAMTS(この「直立型カセットハーフスタビライザー」は、A&DのGX-Z9100より明らかに先で、国産機初搭載だったはず)が思い出深いですね。しかも、スタビライザがあるにもかかわらず、ヘッド部分はクリーニングしやすいように工夫されてましたし。あと、レベルメータも大型で非常に見やすく使いやすかったです。(この2点は、現用のTC-KA7ESより圧倒的に優れていた部分だと思います)
購入後9年目くらいから、消耗パーツを中心に色々と故障をするようになり、「修理代が馬鹿にならない」と言うことで、TC-KA7ESに乗り換え、XK-009は粗大ゴミ行きになってしまったのですが、今思えば、それを引き取ってオーバーホールすれば良かったなぁ、とチト後悔(あの頃は横須賀にいた頃なので、余裕たっぷりだった分、「壊れたらなら買い換えれば?」くらいにしか考えてなかったのでした)。
#さらに余談として、わしの会社、つい3年くらい前までアイワ製のカセットデッキのメカ部Assyを作っていたらしい。中国に生産拠点をいち早く切り替えたアイワが、つい最近まで国内に発注していたパーツと言うことは…はい、言いたいこと分かりますね(笑)。凄く勿体ないことしたのかもなあ、わし。