30年前の今日

30年前、即ち1985年3月22日(金)の今日は自分に取って極めて印象深い日でした。

その頃、小学校5年生だったわしは、上級生の卒業式のためいつもと同じ時間に家を出ました。その家の中は、近いうちに新しい家に引っ越すこともあって、家具などが整理されていて若干殺伐としていましたが、それでも生活に支障が出るというほどでもなく、割とこれまで通りという状態でした。

卒業式では、当時気になっていた女性(上級生でした)が卒業と言うことで、ある意味寂しさも感じましたが、一方でそこまで深刻に捉えていた訳でもなく、むしろ卒業式自体は早く終わって欲しいくらいに思っていました。

さて、その卒業式も午前中にはつつがなく終わり、帰宅の途につきましたが、家の中に入って驚きました。朝には「これまで通り」だったはずの家の中がもぬけの殻。荷物も家族も何もかもが無くなっていたのです!「今日引っ越しだったのか…。」そんな話を全く聞かされていなかった私は途方に暮れ、仕方なく外で家族の誰かが迎えにくるのを待つことにしました。10分くらい経ったでしょうか、一台の車が目の前で止まり、知らない大人の男性がその車の中から「家まで送ってあげるよ」と声をかけてきました。「知らない大人の車には乗ってはいけない」と常に教え込まれていた私は少し戸惑いましたが、幾らなんでもこんなジャストタイミングで誘拐魔は現れないだろう…、と何の根拠もなかったものの、車に乗せてもらい、新しい家まで送ってもらいました。(その男性は父の職場の方で、引っ越しをお手伝いいただくために来ていたようでした)

その新しい家が、今私たち家族が住んでいる「自宅」になります。

30年という一区切りを迎えるにあたり、昨年末から自宅のリフレッシュを行い、まさに昨日夕方大半の工事を終えました。設備を新しいものにしたり、劣化したり壊れたところを直したりした程度で、間取り変更等を伴わない比較的軽微な内容ではありましたが、それでも家の中や外に足場を組んだり、台所が2週間近く使えないなど色々不便な思いをしながらも無事に終わり安堵しているところです。

建家自体が変わった訳ではないので、30年前のような新鮮さはありませんが、それでも新しい環境での生活のスタートには変わりありません。4年前の震災もなんとか耐えきったこの家、ここからまた数十年、私たちの生活をこれまで同様に支えていって欲しいと心から願っています。

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